株式会社アサヒ

TEL:03-3855-0211(代) / FAX 03-3857-4747 / 受付時間 9:00-17:30土日祝を除く
〒123-0871東京都足立区椿2-2-1 (環七通り椿1丁目交差点そば)
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<球体LEDディスプレイ用カバー 製作ストーリー>

<球体LEDディスプレイ用カバー 製作ストーリー>

1. 舞い込んだ前代未聞の依頼

ある日、弊社の営業部へ一本の電話が入りました。その内容は、直径2.5mもの巨大な「球体LEDディスプレイ」専用カバーの製作依頼でした。

近年、大型商業施設やイベント空間で圧倒的な存在感を放つ球体LEDディスプレイ。ラスベガスの巨大球体施設(MSG Sphere)が話題となったように、全方位へ映像を映し出すその技術は、世界中で注目を集めています。今回のご依頼は、その機材を日本で初めて上陸させた企業様からでした。

機材は重さ約800kg、キャスター付きの台座に固定されており、当時はまだ適切な養生手段がない状態。精密機器であるLEDを守るため、専用カバーの開発は急務でした。

2. 球体ならではの「4つの壁」

球体LEDは単なる「丸いディスプレイ」ではなく、カバー開発において多くの独自課題を抱えていました。

耐衝撃性: 精密なLED素子を保護するため、クッション性の高いキルト製ソフトカバーを採用。

施工性: 大型球体でありながら、少人数で素早く着脱できる機能的な構造。

軽量性: 球体構造全体への負荷を抑えるための軽量設計。

防塵・帯電防止: LEDチップの天敵である静電気を防ぐ素材選定。

製造メーカーとしてのノウハウを凝縮した、前例のない挑戦が始まりました。

3. 「バスケットボール方式」という解

すぐに現場の責任者であるルーク工場長と協議を重ねましたが、打ち合わせは難航を極めました。過去の型紙やデータが一切通用しない、文字通り「前代未聞」の形状だったからです。

打開策を検討する中で辿り着いたのが、球体の表面を分割して覆う構造です。「バレーボール型」か「バスケットボール型」かを検討した結果、最終的に**「みかんの皮」のように6枚のパーツを繋ぎ合わせるバスケットボール方式**を採用することに決定しました。

詳細図面をもとに作成した型紙は、1枚あたり長さ約4m、幅約1.5mという巨大なもの。さらに、静電気を極端に嫌うディスプレイのため、裏地には導電繊維を織り込んだ特殊な「フレンチパイル」を採用しました。

4. 職人の手仕事と、緊張の納品

製作期間は2ヶ月。生地の手配から延反、キルティング、そして型紙作成と裁断まで、そのすべてが手作業です。極めて特殊な縫製技術が求められるため、最終的な仕立てはルーク工場長自らが担当しました。

特に苦労したのは、中央の支柱やトラック固縛用のスリングベルトを避けつつ、全体を隙間なく覆うという「複雑怪奇」な構造を、いかにシンプルにまとめ上げるか。これこそが、Jキルトファクトリーの腕の見せ所です。

納品当日。私とルーク工場長は、高さのある脚立に登り、慎重にカバーを被せていきました。一枚ずつマジックテープを閉じていく瞬間、心臓の鼓動が早まります。
「寸法は合っているか」「ズレはないか」
チーム全員が、固唾を飲んでその様子を見守りました。

最後のテープを留め終えた瞬間、現場に「素晴らしい……」という感嘆の溜息が漏れました。巨大な球体に完璧にフィットしたカバー。それは、機能美さえ感じさせる美しい仕上がりでした。

お客様からは、早くも「2台目にも導入したい」との言葉をいただき、それまでの緊張は大きな喜びに変わりました。「ぜひお任せください!」と答えた私の胸には、ものづくりの真骨頂を味わった熱い手応えがありました。

5. これからの可能性:カバーは「体験」をつくる

球体LEDディスプレイが「映像」をつくり出すのに対し、私たちのカバーは「安心という体験」をつくり出します。

優れた機能性は、作業の時短と安全を担保します。そして、大がかりな機材でありながら、カバーを外せば小さく折り畳める柔軟性(フレキシビリティ)。それこそが、キルトという素材の魅力です。

裏側で目立たない存在だからこそ、そこに揺るぎない技術と思想が宿る。
「開発とは、単に機能を足すことではなく、新しい価値を設計することである」
今回の経験で、私たちはその極意を学びました。アサヒの挑戦は、これからも続きます。

T・Hさん

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